フェアの失敗

ショートショート

amazonのお買い得フェアに参加することがあります。
おもにkindleで安く買える、マンガや本が目当てにしています。
注意してみているわけではないのでフェアだったことに気が付かないこともしばしば。

安くなっている商品を検索しているだけで、1、2時間。簡単につぶれてしまったりします。

ある日、ガソリンスタンドで給油をしようとクレジットカードを差しました。
するとクレジットカードを読み込めないとアナウンスがでて、使えません。
おかしいな、とは思いつつも、じゃあ現金で払えばいいか、とその場は特に気にせずにいました。

その後、スーパーで買い物してレジにてもう一度カードを試してみました。
(一度上手くいかない時、さっきのは何かの間違いで今度は上手くいくだろうという、全く根拠のない自信
を持つことが僕にはしばしば)
ここでも使えませんのエラー。
店員さんがエラーコードからクレジット会社に電話した方がいいですよ、と
アドバイスを受け、家に帰宅後すぐに電話してみました。

電話をかけるという行いに無条件に緊張する性分でして、音声アナウンスのガイドに従いボタンを押すのを間違えもしました。
とりあえず無事に肉声ガイダンス(電話越しなので表現が正確ではありませんが……)へ辿りつき、事情を説明。

どうやら200件以上の連続したクレジットカードでの注文が2日間で行われたため、不審な動きと感知したプログラムが
カードの支払いを自動で止めた、とのこと。
「どうやら全て11円のお支払いのようですが、心当たりはありませんか?」
問われた時点で、僕には心当たりがありました。

数日前、amazonのkindleフェア。
大量のマンガの1巻目が11円で買えるイベントがやっていました。
それを知った僕は、動物園に初めて行った子どものようにテンションが上がり、面白そうな作品を手あたり次第見つけては
買いまくっていました。
間違いなくこのことだ。200冊以上買っていたのか……。数字で示されると自分で少し引いてしまいました。

「あ、はい。心当たりあります」
そういうこともあるのか、と何だか爆買いしたことを恥ずかしくも感じながら
電話担当の方に問題ないことを伝えて、無事クレジットカードは使用できるようになりました。

11円爆買いおじさんと認識されたな、と勝手な想像をしつつ、ふぅー、とため息。

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