桃太郎は鬼退治の準備の一環として、お供を選ぶ面接を行っていた。
大人に勝る力と剣術をもつ彼も、戦いにおいては一人では心もとない。そこで、信頼できる仲間を選ぶために、近隣の村々から応募者を募った。
「本日はよろしくお願いします」
会場には、腕に覚えのある動物たちが集まった。彼らはそれぞれ、桃太郎の家に通され、次々と面接を受けていく。
最初の応募者はつややかな毛並みを誇っていた。尻尾を揺らす彼に、桃太郎が質問を投げかける。
「得意なことはなんですか?」
「嗅覚が鋭いので、鬼の居場所をすぐに見つけられます。また、村を守る仕事を長年やっているので、忠誠心には自信があります!」
桃太郎はうなずき、次の応募者に目を向けた。
「次の方、お願いします」
次に現れたのは色鮮やかな羽が美しく、堂々とした姿が目を引いた。
「君の強みはなんですか?」
「はい。私は空を飛べるので、偵察にすぐれています。戦において敵の戦力を把握することは大切。私ならあなた様の勝利に大いに貢献できると考えます」
「なるほど、それは頼もしいね」
最後の応募者は長い手とアクロバットな身のこなしが印象的だった。
「自己PRをお願いします」
「はい。木登りも得意で、敵の不意を突くことができます。身軽な僕が一番槍となり敵を翻弄してみせましょう」
桃太郎はうなずいた。少し考えた後、面接者全員を呼び出した。
「どれも素晴らしい能力だね。君たち全員、採用だ!」
こうして、ゾウ、アゲハチョウ、そして天狗の三者が桃太郎のお供として選ばれた。彼らはそれぞれの特技を活かし、桃太郎と共に鬼ヶ島へと旅立っていった。