偶然が重なることでその人の特徴を位置づけることがある。
雨男(女)がいい例だと思う。遠出をすると、当日は雨が降っているケースが多いから自分や特定の相手に冗談でつける異名みたいなもの。
科学的根拠なんて一ミリもないし、何だったら2度の偶然程度であだ名がつけられてしまうなんてことにある。
友人にもそんなあだ名をつけられていた人物がいた。
友人はゲームセンターにあるハウスオブザデッドというゲームが好きだった。
銃の形をしたコントローラーで遊ぶ、いわゆるガンシューティングゲームの代表作。
古くからあるゲームでナンバリングタイトルも多い。ゲームセンターごとに最新のものではなかったりする。
面白さがあるので、ゲーセンではついついハウスオブザデッドを探してしまう。
ゲームセンターによって見つけられるバージョンが全然違ったりするので、はじめていくゲーセンではつい探してしまう。
バージョンが多いということは、めちゃくちゃ古いものを取り扱っているゲーセンもあるわけで、そういうゲームはトラブルがつきものだったりする。
友人はそのトラブルに遭いやすい。
ゲーム最中に画面が崩れてフリーズしてしまったり、いざ百円を入れようとした瞬間に『グラ
フィックボードエラー』と表示され画面が止まってしまっていたり。
そんな偶然が重なって、つけられたあだ名がグラフィックラッシャー。命名者は僕。
友人がハウスオブザデッドを好きであるというのも、なんだか哀愁をプラスしている気がする。
好きなのに途中で中断を余儀なくされる。一人でやっていたら悲しい気持ちで帰宅してしまうだろう。
ただ、複数人だとその出来事が本日のハイライトになるほど笑い話にできる。
それが複数回であれば、またかよ、と言って天丼ネタのような大きな笑いを生む。
ゲーセン特有のイベントで、こういうことがあるから、たまには遊びに行きたくなる。
というか、友人とゲーセンに行ったタイミングでだけ起きているということは、これって俺がグラフィックラッシャーとしても成立するのではないか?、という疑問がでてきた。
どっちが雨男かなんて、身近な人となすり付け合うのは良くない。そう思った。