ショートショート 「たすけて」 「くそっまたやられた」感情をぶつけるように欠けたチーズをゴミ箱へ叩き入れる。この家に不法入居しているあいつの仕業に違いない!男は深く深く深呼吸した。あいつが現われてから男が身に着けた対処法のひとつだった。頭に登った血がスーッと下に降りていく... 2024.02.23 ショートショート
ショートショート さがしもの 「こんにちは、藤田正樹さんですよね。1分だけお時間よろしいですか?あっ、失礼しました。わたくし」ゲーセンからの帰り道に声をかけられた。名刺を渡される。『渋田探偵事務所 渋田さなぎ』とあった。「探偵さんがなんのようですか?」「実は、探田雄介さ... 2024.02.21 ショートショート
ショートショート 勘違いのプレゼント しゃべれない?女の子とであった。彼女はしゃべろうとしない。食事のためにしか口を開くことはない。何を伝えようとしているのかこっちの意図はわかっていることは確かだ。彼女とは一週間前に家から徒歩7分、杉の木に囲まれた、花粉症の方が決して来ることが... 2024.02.20 ショートショート
ショートショート 新鋭ラーメン屋 昼過ぎになり、腹の虫もうるさくなってきた。私は出張先でさっと食べれるお店を探した。先方との予約している時間があるため、ゆっくりはできないからだ。たくさんの店が並ぶストリートに入った。食事処が並び、空腹をくすぐる匂いが左右からただよう。ここで... 2024.02.19 ショートショート
ショートショート puppet&seek 人型のぬいぐるみを使った降霊術がある。puppet&seekと呼ばれる外国で10年ほど前、流行ったものだ。オカルト情報をやりとりする掲示板を毎日眺めることが習慣になるほど、そういった話が好きな俺は一人でもできるその降霊術を試してみることにし... 2024.02.19 ショートショート
ショートショート 決めつけシャーロック 依頼人が私の探偵事務所に入ってきた。彼は立派な髭を生やし、太った体つきの初老の男性だった。まず、私は彼をソファに促し、緑茶を差し出した。「何か重大な出来事に巻き込まれたのではないでしょうか?」「どうしてそれを?」「あなたが強く握りしめている... 2024.02.18 ショートショート
ショートショート きみしらリメイク 『君と知らずに恋の行方』のリメイクが発売されていた。BGMが特に人気で、界隈でもそこが今でも評価されている名作だ。アニメ化もされているし、コンシューマー版もでていた。リメイクが出ることは情報として知っていたが、もう20年以上前の作品だし発売... 2024.02.18 ショートショート
ショートショート セイレーン 「ほら、さっさと起きなさい!」一気に冷たい空気を感じた。ぼやけた頭で今の状態を確認する。窓が開いてる、目の前の女性が掛け布団をもってこちらをにらんでいる。「母さん、今から買い物に行ってくるから。台所に置いてある、朝食食べちゃいなさい」「あー... 2024.02.18 ショートショート
ショートショート フルネームプレート 「ご注文をお伺いします」フロアのベルを押してすぐ、近くのウェイターが声をかけに来た。「包み焼きハンバーグセットをパンでお願いします。あとドリンクバーも」男は視線をメニューからスタッフの青年へと向ける。まだ高校生だろうか。それにしてもネームプ... 2024.02.18 ショートショート
ショートショート 催眠術士な彼女 徹が昼寝から起きて、日が沈みそうな時間に掃除をしていると、玄関のチャイムが鳴った。ドアを開けると五円玉に紐を通した、いかにもなアイテムをぶら下げている彼女が立っていた。「あなたはだんだんタキシードを着たくなーるー」紐を持って五円玉を左右に揺... 2024.02.15 ショートショート